6)白内障の種類

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白内障包括ガイド

白内障は、眼の水晶体が濁る一般的な目の状態です。さまざまなタイプの白内障があり、それぞれに固有の特徴があります。

1. 核白内障

  • 水晶体の核が濁るタイプ。
  • 加齢とともに発生し、最も一般的な白内障です。
  • 視界の中心部のぼやけや、まぶしさの増加を引き起こします。

2. 皮質白内障

  • 水晶体の皮質(外層)が濁るタイプ。
  • 加齢や外傷による炎症によって引き起こされることがあります。
  • 視界の周辺部のぼやけや、ハローやグレアなどの視覚障害を引き起こします。

3. 後嚢下白内障

  • 水晶体の後嚢(後方の薄い膜)が濁るタイプ。
  • 加齢や眼内手術の後に発生することがあります。
  • 視界の中心部のぼやけや、読書や運転の困難を引き起こします。

4. 先天性白内障

  • 生まれつき存在する白内障。
  • 遺伝的要因や、母親の妊娠中の感染症や薬物使用によって引き起こされることがあります。
  • 視力の低下、斜視、眼の振戦を引き起こす可能性があります。

5. 外傷性白内障

  • 外傷や眼内手術によって引き起こされる白内障。
  • 水晶体の損傷により、急性の視力低下やその他の視覚障害を引き起こします。

6. 放射線白内障

  • 放射線曝露によって引き起こされる白内障。
  • 水晶体の細胞を損傷し、濁りの形成につながります。

白内障のタイプを特定することは、適切な治療計画を立てる上で重要です。医師は、白内障のタイプ、進行段階、視力への影響を考慮して、手術やその他の治療オプションを推奨します。

白内障の進行段階

白内障は、進行段階に応じて分類できます。

1. 初期白内障

  • 視力にほとんど影響を与えない、軽度の濁り。
  • 眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正できる場合があります。

2. 中等度白内障

  • 視界のぼやけ、まぶしさ、コントラストの低下を引き起こします。
  • 日常生活に支障をきたすようになり、運転や読書が困難になる場合があります。

3. 高度白内障

  • 視力が著しく低下し、物がぼやけてかすんで見えます。
  • 物体を見分けるのが困難になり、日常生活に重大な影響を及ぼします。

4. 成熟白内障

  • 水晶体が完全に濁り、視力がほとんど失われます。
  • 手の動きや光を感知できる程度まで視力が低下します。

5. 過熟白内障

  • 成熟白内障がさらに進行し、水晶体が溶け始めます。
  • 水晶体の破片が眼内に放出され、炎症や緑内障などの合併症を引き起こす可能性があります。

白内障の進行段階は、年齢、遺伝的要因、環境要因によって異なります。進行を遅らせる方法はありませんが、適切な治療を受ければ、視力を回復し、合併症を防ぐことができます。

白内障の治療

白内障の治療は、進行段階によって異なります。

1. 眼鏡やコンタクトレンズ

  • 初期白内障では、眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正できます。

2. 白内障手術

  • 中等度以上の白内障では、白内障手術が推奨されます。
  • 手術では、濁った水晶体を除去し、人工水晶体(眼内レンズ)に置き換えます。

白内障手術は、一般的に安全で効果的な処置です。ほとんどの場合、手術後数日で視力が回復し、合併症のリスクは低くなります。

白内障の進行を遅らせるには、以下のような予防策を講じることができます。

  • 紫外線から目を保護するサングラスを着用する。
  • 禁煙する。
  • 健康的な食事を摂り、抗酸化物質を豊富に摂取する。
  • 定期的に眼科検診を受ける。

白内障のリスク要因

白内障のリスクを高める要因には、以下のようなものがあります。

  • 加齢: 白内障は、加齢に伴う最も一般的な目の状態です。
  • 紫外線曝露: 紫外線は水晶体のタンパク質を損傷し、白内障の形成につながる可能性があります。
  • 喫煙: 喫煙は、水晶体にフリーラジカルを放出し、白内障のリスクを高めます。
  • 糖尿病: 糖尿病は、水晶体に栄養を供給する血管を損傷し、白内障のリスクを高めます。
  • ステロイド薬の使用: 長期間にわたるステロイド薬の使用は、白内障のリスクを高める可能性があります。
  • 外傷: 眼への外傷は、白内障の形成につながる可能性があります。
  • 遺伝的要因: 一部の白内障は、遺伝によって引き起こされます。

白内障の合併症

治療されないと、白内障は以下のような合併症を引き起こす可能性があります。

  • 緑内障: 白内障が進行すると、水晶体が膨らみ、眼内の圧力が高くなることがあります。これにより緑内障が発生し、視神経が損傷する可能性があります。
  • 黄斑変性: 白内障は、黄斑(網膜の中心部)に栄養を供給する血管を遮断することがあります。これにより黄斑変性が発生し、中心部の視力が低下する可能性があります。
  • 網膜剥離: 白内障手術後に、網膜が眼球の後ろから剥がれることがあります。これは、失明につながる可能性のある重篤な合併症です。

白内障は、適切な治療を受ければ予防および治療できる一般的な目の状態です。定期的に眼科検診を受け、リスク要因を管理することで、白内障の発生と合併症のリスクを軽減できます。

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